イスカリオテ
- 作者: 三田誠,岸和田ロビン
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2008/11/10
- メディア: 文庫
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七つの大罪を具現化したような悪魔が現れる現代。救世主の再来と讃えられた英雄「久瀬諌也」は聖都の消滅と同時に消息不明になってしまう。
スラム育ちの少年は1年後には自由を得る、という約束で、双子の兄「久瀬諌也」のニセモノとして、御陵市にやってくる。
彼のためだけに作られた少女の形をした祭器「ノウェム」をもって、悪魔を屠る為に。
という話。
レンタルマギカで調べている最中に立てた企画だそうで、断罪衣を始め聖アガタやら聖クリストフォルスなどキリスト教的な単語がばりばりでてきます。主人公の名前も「イザヤ」ですし、そもそもタイトルからして「イスカリオテのユダ」からとられてますし。
そういう蘊蓄話が大好きな私としては、一も二もなく買ったわけです。最初はイザヤの性格が悪意入っていてなかなか話にのめり込めなかったのですが、ノウェムが出てからはもう一気に読み終えてしまいました。
ナデシコの昔からこういう人の手によって作られ感情が薄い少女が時々みせる笑顔に弱いんじゃよ。我ながらダメな人間じゃのうw
最初はただ性格が悪いだけに思えたイザヤもひねくれながらも主人公らしい熱血さがあったり、ひょうきんだけじゃないカルロなど一癖も二癖もある登場人物ばかり。
眉目秀麗頭脳明晰大財閥の後継者、聖戦の唯一の生き残りとこれでもかとヒロイン属性を詰め込んだ玻璃は詰め込みすぎて、ラスボス化フラグ立ててるしw
とにもかくにも、一見無感情に見えるノウェムのみせる表情が最高なのはおいておいて、現代異能ものとしても「一般人には秘匿されている敵」やら、「対抗できる選ばれた人のみにある人類の敵に対抗する力」、「短時間しか発揮できず代償のある強力な技」など、基本をしっかり抑えていて、さすが三田さんといった感じでした。