nicht seinの読書感想文

漫画やアニメ、同人誌の感想やらなんやらを細々と残そうかと。

塔の町、あたしたちの街2(完)

塔の町、あたしたちの街2 (ファミ通文庫)

塔の町、あたしたちの街2 (ファミ通文庫)

失敗しちゃった少女の、哀しい物語。

以下もろにネタバレなので、続きを隠す方式で。


街周辺だけに存在する歪気、街を支配する塔、そして歪気を消し去ることが出来る潔斎という力。
これだけそろえば最後は潔斎を使って塔(&歪気というシステム)を壊して終わりなんだろうなと予想していたら、その通りの王道の展開でした。
ただ、そこに至るまでの過程と動機が予想外過ぎ。さんざん忠告されていたのに、自分の決意の甘さ、考えの甘さ故に災厄が起きて、可多那はなごみを庇って死亡。イヤボーンで完全な力に目覚めたなごみが八つ当たり気味に(なぜか矛先を塔と歪気というシステム全体に向けて)復讐。
結果街は壊滅、街を支配していた守代家も壊滅、残った人たちは大騒ぎに。
なごみは何故か助かったものの、意識は戻らず寝たきりに。
完。

――いや、エンターテイメント小説として、その展開はどうよ(汗)
ライトノベルの王道に幼い主人公が苦難の上試練を乗り越えて成長する、というのがありますが、この作品はなごみが結局成長できずに終わってしまった感じがしました。
百合ものって、どうしてこう単純に「ハッピーエンド」で終わる作品が少ないのかなぁ……