nicht seinの読書感想文

漫画やアニメ、同人誌の感想やらなんやらを細々と残そうかと。

死神のキョウ

死神のキョウ (一迅社文庫)

死神のキョウ (一迅社文庫)

ゲームのシナリオライターらしく、地の文がほとんど無く会話だけで話が進むため、駄目な人にはとことんだめだろうな、と思いました。
わたしは「さよならトロイメライ」で開眼したので、全然問題なし(爆)
序盤から「義理の妹になつかれる」「異能の力を持つ女の子と同棲」「おふろでどっきり」「暗い準備室で間違って女の子の胸を触る」「普通にはあり得ない学校行事が存在する」と、お約束のイベントがてんこ盛りで、ギャグがちりばめられている明るいノリと、中盤まではどこのギャルゲーですかといわんばかりのお約束の展開が続きます。
最後までこんな楽しい感じかな?と思いきや、後半にかけて一気にたたみ込むようにクライマックスに持って行く流れも見事でした。
あとから読み返してみると、「ああなるほど」って思うところもありますし、構成が上手いですね。

ちょっとネタバレになってしまいますが。。。

「死神ってどう思う?」
「きっと、この世でもっとも残酷な神様だよ」

この言葉のしばらく後に、彼女は「仕事」をしたのですが、このとき彼女はどんな想いで「残酷」という言葉を口にしたのか考えると、切なくなります。

ということで、話的には明らかにキョウがヒロインだったりするのですが、私的に一番好きになったのは黒峰さんだったりします。
みんなをまとめる委員長で、おちゃめなところもありつつ、自分の芯はしっかり持っている人。
ただ、こういう人ってヒロインにはなれないですけどね(涙)