nicht seinの読書感想文

漫画やアニメ、同人誌の感想やらなんやらを細々と残そうかと。

小説ヨコハマ買い出し紀行―見て、歩き、よろこぶ者―

小説 ヨコハマ買い出し紀行─見て、歩き、よろこぶ者─ (KCノベルス)

小説 ヨコハマ買い出し紀行─見て、歩き、よろこぶ者─ (KCノベルス)

ココネさんはどこですかっ!

今でも好きな作品のヨコハマ買い出し紀行の新作。媒体や書かれる方が違うとはいえ、アルファさんの新しいお話が読めると楽しみにしてました。
内容は新作エピソードというよりかは、新キャラのロボット「オメガ」を通して、連載していたエピソードを少し違う視点で眺めていく、という感じでした。
オメガが少年型ロボットということもあるのか、アルファさんとタカヒロとの交流のシーンがメインでした。というか、設定の語り部として子海石先生とおじさんがでてくるだけで、ココネさんやらマルコやら、マッキやナイ達、徒歩旅行の話などは全部すっぱり抜けています。
A7シリーズが何故作られたのか、ターポンの役割など(どちらも、人の世界を残すための存在)世界の背景設定が語られていますが、後書きによると「無数に存在しうる筋書きの中の、一つ」だそうです。
アルファさんのゆったりした雰囲気はそのままあるものの、「黄昏の時代」も終り「夜」となった世界ということもあってか、どこかしら薄暗く悲しい雰囲気に包まれていたお話でした。
連載最終回で働いていたはずの喫茶店にココネさんが居なかったり、過去の回想シーンでもココネさんは全く出番がなかったり、本文中にココネさんのことが一切ふれられてなかったり、何というか、ココネさんファンとしては残念でした。


コミックス未収録の短編「峠」は実は読んだことなかったので、ここで読めて嬉しかったです。
姿もそっくりですし、カマスを使うわ、確かにタカヒロとマッキの娘のサエッタといわれれば納得してしまいますね。
「今は北国(みちのく)への抜け道に過ぎない東国エリア」というのがもの悲しさを誘います。