θ―11番ホームの妖精
- 作者: 籘真千歳,くらぽん
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2008/04
- メディア: 文庫
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三次元を二次元に圧縮することにより物質転送が実現した世界、激動する国家勢力の中でも日本はその技術を独占することにより勢力を保っていた。
C.D.という高密度次元圧縮を利用した交通網を管理する組織J.R.C.D.に所属するT・Bという少女の、東京駅11番ホームを舞台にした陰謀劇です。
T・Bのですます調の口調と、妙にのほほんとした思考でほのぼの系かなと思っていたのですが、過去の事件やら、T・Bの正体やら、開国派と閉鎖派の政治的な対立やら、起きる事件も世界の危機レベルだったりと話の規模が予想以上に大きくてびっくりしいました。
そんな中でもT・Bの前向きな思考が失われなかったのが良かったです。
なんというか、このT・Bという少女がすごくいい雰囲気をまとっているんですよね。
そりゃママっていいたくもなるわ(w
話の展開や設定の隙などつっこみは色々あるのですが、T・Bを始め十三月ちゃんや義経、西晒湖など魅力的なキャラが多くて、あっという間に読み終えてしまいました。
まだ一巻では回収しきれていない伏線が結構残っているので、この先も続くと思うのですが、話の規模を余り広げないで「11番ホームの一日」みたいな短編の話も読んでみたいです。もちろん十三月ちゃんも含めてw